今回は『教師の平均年収』についてお話したいと思います!
なんて思っている人も少なくないでしょう。
しかし実際、思春期の子供を相手にして、且つ彼らの進路に大きな影響を与える職業ですから、仕事内容はかなりハード・・・
というよりも、言ってしまえばブラックなことで知られています。
- モンスターペアレント
- 学級崩壊
- 生徒からの虐め
のようなニュースもよく耳にしますね。
子供の頃はなにげなく接していた先生たちですが、彼らの平均年収は仕事内容相応なのでしょうか?
『将来は教師になりたい』なんて方はぜひ参考にしてください!
教師の平均年収について
【小学校から高校まで】平均年収早見表
学校種類 | 平均年収 |
小学校 | 355万円 |
中学校 | 336万円 |
高校 | 332万円 |
出典:地方公務員給与実態調査結果
平均のトリック
次の項で詳しく説明しますが、公務員、殊に教師の年収は年功序列です。
また一般企業と同じように、
- 正規雇用か不正規雇用か?
などによっても年収に差が出てくるんですね。
上の図ではすべての年代を、正規・不正規を問わずごちゃ混ぜにして導き出された平均年収を紹介しています。
よって、大部分の教師が貰っている実際の給与よりも低い数字が出ているはずです。
平均のマジックですね。
ちなみに、何年も勤続する場合、最終的な手取り額が最も多くなるのは高校です。
教師の年収と年功序列
前項でも述べたように教師の年収は年功序列です。
大卒1年目の新米教師と勤続20年目の教師の年収とではその額に大きな差があり、具体的には、
- 高校教師の初任給・・・20万円前後
- 40代高校教師の給与・・・45~50万円前後
この程度には差が出ます。
長く務め続ければ堅実に昇給していきます
公立校ならリストラもありませんし、金銭的にはまずまず安定していると言って良いでしょう
またこの他、いわゆる教頭先生や校長先生になれれば年収が増加します。
公立か県立か、もしくは都道府県によっても大きく異なりますが、教頭や校長の給与は800~1000万円前後となるようです。
公立校と私立校の違い
一般に私立校は公立校よりも待遇が良いと言われますが・・・
- 最大の違いは残業代や部活指導などの各種手当てにある
でしょう。
公立校においてはいわゆる残業代はほとんど支払われません。
部活の顧問になってもコレといった手当は発生しません。
一方、私立校では残業代が支払われ、顧問になればその手当が支払われます。
公立と私立の教師では年収に100万円前後の差が出るようです。
教師の仕事って?
教師の主な仕事
学校の種類にも依りますが、
- 生徒との関係構築&コミュニケーション
- 生徒の生活やメンタル指導
- 担当教科の授業
- 授業の下準備や計画
- テストの問題製作
- テストの採点
- 補習生徒への指導
- 進路相談
- 研修
- 担任としてクラスの指導
- 部活指導
- 生徒の保護者との関係構築
- 保護者からのクレーム処理
- 文化祭や体育祭のイベント企画・監督
- (人によっては)自分の専門分野の研究
中学や高校で、特に3年生の担任などになれば、『自分の指導如何によっては生徒の将来がとんでもないことになってしまう!』という重圧も受けます
教師になるならフィジカルもメンタルも強いに越したことはないですね
厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査によれば、高校教師の月あたりの労働時間は180時間前後だそうですが・・・
この時間に部活動指導の時間などは含まれていません。
ちなみに!
『学校が夏休みのとき教師は何してるの?』はあるあるな疑問ですよね
長期休暇中の先生はよりよい授業を展開できるような研修を受けています
お盆休みや年末休みは取得できますが、別段、他の職業に比べて休みが多いわけではないんですって
仕事はブラック?
勤め先の学校の立地や種類によってかなり違いますし、部活顧問や担任を任されるかによっても違います。
とはいえ、なにしろ生徒は思春期の子供たちですから、
- 小学校なら幼さ故の乱暴なトラブルや虐め。それらに対する親の介入
- 中学校なら非行や生徒間の陰湿な虐め。ともすると教師へのセクハラや虐め
- 高校ならより過激な非行や暴力事件。進路問題。生徒間の異性交友問題
こういうことは後を絶ちません。
多くの教師が、これらのうちどれか1つには頭を悩まされた経験があるようです。
また、幸運にもコレらの問題に苛まれないにせよ、前述のように教師の仕事は激務です。
普通にやっていても身体や精神を壊してしまう教師もいるので、
- 子供が好きだ!
- やりがいのある仕事が好きだ!
と、本心から思える人でないと厳しいかもしれません。
教師の仕事に就くには
大前提として教員免許が必要です。
教員免許の中で最もポピュラーな『普通教員免許』は、
- 教育大学院で習得できる専修免許
- 大学で取得できる一種免許(高校と中学で教えられる)
- 短大で取得できる二種免許(中学と小学校で教えられる)
が存在しています。(なお一種にせよ二種にせよ、教員免許を取得するには膨大な量の単位が必要です。教員免許を取得したい学生は入学直後から計画的に講義を組みましょう)
当然ながら二種よりも一種免許を持つ方がより良い待遇(給与や昇進の速度)を受けられますが、
- 『二種だから採用されない!』
というようなことはありません。
免許にはこれ以外に、
- 本来、教員でないオリンピックのメダリストやノーベル賞受賞者などが授与されて特定の地域でのみ教員として活動できる『特別免許』
- 正規の教員が事故や病気になった場合、その代理となる教員でない物に授与される『臨時免許』
があります
公立教師になるには都道府県の、私立教師になるには学校法人の実施する採用試験に合格せねばなりません。
この試験は
- 面接
- 筆記
- 実技(模擬授業)
などから成り立っていて、音楽の教師であればピアノやリコーダーのテストが、英語の教師であればスピーキングのテストなどが別に課されることもあります。
試験の難易度はしっかりと対策してもまだ高く、また、公立にせよ私立にせよ、
- 原則的にはその年度で退職する人数分+自治体によっては少人数の+αだけ新しく採用する
ため、倍率も高くなっています。
40代50代になれば600万700万と年収が増えていますが、それを高いと思うか低いと思うかは人それぞれでしょう
【教師の平均年収】まとめ
今回は『教師の平均年収』について見てきました。
記事の内容をずばり纏めると、
- 小学校教師の平均年収は355万
- 中学校なら336万円
- 高校なら332万円
- ただし、教師は年功序列で確実に昇給していく
- 平均年収は若手教師が大きく引き下げている
- 40代の高校教師の平均年収は600万円前後
- 私立であれば+100万円程度
- 教師は安定感のある職業で、長く勤めるならば平均的サラリーマンよりも稼げるかもしれないが、生徒に纏わるトラブルを抱えることは非常に多い
- トラブルがなくとも仕事は激務で身体やメンタルを壊す人も
- よほど子供が好き、やりがいを求めている人でないと続けるのは厳しい
ということになるでしょうか?
教師はしばしば憧れの対象となる職業で、確かにやりがいもあるのですが、反面、ブラックとしか言いようがない側面もあるようです。
『将来、教師になりたい!』という学生はいまいちど自分の適正について考えてみると良いでしょう