老後の蓄えは夫婦・独身世帯でそれぞれ平均幾らなのか?について2017年の情報を基に見ていきたいと思います。
景気がなかなか上向かず年金も信頼できない昨今、『老後の蓄え』はとても重要です。
しかし・・・
『蓄え』と一口に言っても、ではどのぐらい貯めればいいのか、みんなどのぐらい貯めているのか、はアバウトですよね。
ここでは、
- 老後の蓄えはいくらぐらい必要なのか?
- 夫婦・独身世帯では貯蓄にどれぐらいの差があるのか?
- 老後貯蓄の平均額(2017年)はどのぐらいか?
を確認し、今後の貯蓄計画の一助となれれば、と思います。
【老後の蓄え】平均と実際~いくらぐらい必要?~
老後の蓄えは幾らあればいいのか
これは、
- いま何歳で何歳まで生きるのか?
- 持ち家か否か
- 年金受給の状況
などで変動するので、ここでは以下の設定で話を進めます。
- 夫婦は現在60歳
- 90歳まで生きるとする
- 家は持ち家、その家で生活する。90歳までに1度はリフォームを行う
- 夫婦揃って年金を貰っていて、夫の方は厚生年金である(月収20万円前後)
さて、老後生活を無理なく送るためには、月々幾らぐらいの生活費が必要なのでしょうか?
むろん『無理なく送る』の水準がどの程度かにもよりますが、いわゆる中流階級では25万円前後で無理なく生活出来るとされています。
よって上記の場合、月々5万円ほど足が出てしまいます。
すると90歳までに不足する生活費の合計は、5×360=1800となります。
この1800万円に、かなり大雑把な額ですが、リフォーム費用を200万円足せば2000万円となります。
また夫婦のどちらかが介護を必要とした場合、きちんとした介護を受けるには月8万円が必要となります。
賃貸であれば360ヶ月分の家賃を別に用意する、あるいは生活費を削って捻出する必要がありますし・・・
子供が老後に大学進学をするような家庭もあるでしょう(私学であれば、その学費は合計で1000万円前後になります)。
独身世帯であれば必要金額が落ちて20万円前後、人によってはもっと落とすことも出来るでしょうが、年金収入も減るわけですから、夫婦世帯よりも蓄えが少なくて良いわけではありません。
夫婦世帯の平均(2017年版)
夫婦世帯の『老後の蓄え』、気になるその平均額は2200万円だとされています。
ただしこれは60代夫婦全体の平均額で、実際には夫婦の年収総額によって大きな差があります。
年収 | 平均値 |
収入なし(定年退職済み) | 1022万円 |
300万円未満 | 1005万円 |
300~500万円未満 | 1346万円 |
500~750万円未満 | 1635万円 |
750~1,000万円未満 | 2478万円 |
1,000~1,200万円未満 | 3600万円 |
1,200万円以上 | 4299万円 |
なお、この場合の『収入』に年金は含まれていません。
【老後の蓄え】独身世帯の蓄えの平均は?
ずばり2600万円だとされています。
先述した通り、独身家庭では月々に必要なお金が減る反面、年金収入もひとりぶん減るので、より多く貯蓄されているようです。
【老後の蓄えはいくら必要?】平均と中央値
平均値では本当の貯蓄額がわからない!?
ご存知『平均値』は平均を出したい数字を全て足して割ったもの、です。
その性質上、『貯蓄額の平均値』を出そうとすると、貯蓄額の極端に多いor少ない世帯によって値が引き上げ(下げ)られます。
100人の人が居るとして、90人の年収が200万円だとします。残る10人の年収が、もし5000万円だとすれば、平均値は幾らになるでしょうか?
- 680万円です
平均値では、こういう現実との乖離がしばしば起きます
これに対して『中央値』は数値を出したい数字をずらー、っと並べて、文字通りその『中央の値』を求めます。
1から10までの数字を並べたとき、その中央値は5です。
もし11を追加しても殆ど変わりません
よって、貯蓄額の実態を知りたいときには『平均値』よりも『中央値』の方にこそ信憑性があることになります。
【老後の蓄えの中央値】夫婦世帯と独身世帯(2017年版)
60代の『老後の蓄え』、その中央値はずばり、
- 夫婦世帯で1500万円
- 独身世帯で1300万円
になります。
【夫婦・独身世帯の老後の蓄え】まとめ
- 老後に必要なお金は夫婦世帯で2500万円前後
- より余裕を考える、あるいは独身世帯なら3000万円ぐらいを目安に
- 老後の蓄えの平均は夫婦世帯で2200万円程度
- 独身世帯では2600万円ほど
- ただしこれは平均値の罠
- 多くの夫婦世帯では1500万円、独身世帯では1300万円ほどしか貯蓄できていない
こういうことになります。
近日では『老後破産(破綻)』とか、そういう恐ろしい言葉も聴こえて来ることがあります。
それもそのはず、どうやら多くの家庭では老後に必要なお金を蓄えきれていないようです。
お金が足りなければ生活レベルを落とすか定年を先延ばしにするかしかありませんが、何れにせよ年齢も年齢、体調を崩すリスクが増します。
体調を崩せば出費が増えて元も子もなくなりますから、『老後のやりくり』にはどうしても限界があることになります。
と来れば、1円でも多く貯めるにしくはありません。
いまのところ貯蓄をする癖がない、という方は支払われた給料の一部を先に別口座に移す『先取り貯金』から始めてみましょう。
ただし焦りすぎは禁物です。
焦り過ぎたり貯蓄にだけ気を取られれば体や精神を壊して、やっぱり出費が増えてしまいます。
いま自分に出来ることは何か、どのぐらいのペースなら貯蓄が可能か?をよく見極めていいましょう。
些かリスキーですが、2500万円といわず、1000万円でもあれば、老後を生き抜くための投資や投機を行うことができます。
『2000万も3000万も貯められないよ!』と思われるかもしれませんが、自暴自棄にならず冷静に貯蓄計画を練りましょう。