共働きの夫婦なら、老後に必要なお金のうちどれぐらいを年金で賄えるのか?についてお伝えしていきます!
老後に必要なお金と言えば莫大で、夫婦では7000万円とも8000万円とも言われています。
しかし無論、それらの金額を全て貯蓄から賄う必要はありません。
貯蓄すべき金額は『老後に必要なお金の総額から年金支給額の総額を引いた額』、ということになります。
ここではその額をより具体的にするため、
- 老後に必要なお金は平均いくらか?
- 共働きの夫婦の年金支給総額はいくらか?
について見ていきたいと思います。
【老後に必要なお金】夫婦の平均
老後に必要なお金のほとんどは生活費
老後に必要なお金のほとんどは生活費だ、とされています。
そしてそれが月々発生するものである以上、老後に必要なお金は、
- 何歳で退職して何歳まで生きるか?
から求められます。
ここでは平均寿命より長めに見積もって、
- 65歳から90歳まで25年間(300ヶ月)生きる
ことで試算します。
>>最低生活費の内訳
【老後に必要なお金】夫婦の平均生活費は28万円
総務省統計局の家計調査(平成28年度)によると、平均的な老後生活費は28万円ということになります。
まずはその内訳を確認してみましょう。
項目 | 平均的な生活費 |
食料 | 75,244円 |
住居 | 16,330円 |
光熱・水道 | 21,901円 |
家具・家事用品 | 10,802円 |
被服及び履物 | 9,754円 |
保健医療 | 14,936円 |
交通・通信 | 36,399円 |
教育 | 1,469円 |
教養娯楽 | 27,508円 |
その他の消費支出 | 62,940円 |
老後の生活費合計 | 277,283円 |
住居費の1万6000円、というのはこのアンケートに参加した人が持ち家である・なしを問われていないことから出た数字です。
持ち家である人は一般に住居費が掛かっていませんから、賃貸者が払っている費用がガクッと安く見える訳ですね。
賃貸料の平均は月5万円だとされるので、賃貸で暮らす人の平均は30~31万円ということになるでしょうか。
【老後に必要なお金】総額は8400万円?
さて、月々の平均が出たからには、後は計算するだけです。
先に定めた通り、
- 65歳で引退して90歳まで暮らす
としたとき、月28万円×300ヶ月ですから、
- 28×300=8400万円
が老後に必要なお金の総額、ということになります。
【老後に必要なお金】年金の支給総額について
国民年金
国民年金の支給額、その平均は1人辺り5.5万円だと言われています。
夫婦ですから2人分で11万円、更にそれを300ヶ月分となると・・・
- 11×300=3300万円
ということになりますね。
この時点で貯めるべき額は5100万円(8400万-3300万)となります。
厚生年金
厚生年金の平均月額は男女によって異なり、
- 男性18万円
- 女性9万円
だとされています。
共働きの夫婦が前提ですので、ここでは二人とも厚生年金を受け取れる、ということにしましょう。
ということは男性側は、
- 18×300=5400万円
女性側は、
- 9×300=2700万円
になります。
貯めるべき金額
さて、国民年金と厚生年金を併せたとき、その総額は1億円を超えます。
ので、
- 夫婦共働きで二人とも厚生年金を受給しているなら年金だけで老後を送れる
ことがわかります。
ただしどちらかが寿命を迎えれば年金支給額はそれだけ減ってしまいますので、全く貯金がない、というわけにもいかないでしょう。
これを幾ら用意しておくべきか、は難問です。
何歳でそういった状況になるか一概には言えませんし、生活水準や趣味にも依ります。
いちおう平均寿命から考えるなら女性の方が男性より7~8年ほど長生きしますので・・・
- 長く見積もって10年(120ヶ月)×老後独身者の平均生活費(15万円)=1800万円
ぐらいでしょうか?
【共働きの夫婦が老後に必要なお金】まとめ
今回は、
- 夫婦が老後に必要とする生活費は幾らか?
- 共働き夫婦ならその生活費のうちどれぐらいを年金で賄えるか?
について見てきました。
記事の内容をざっくり纏めると、
- 夫婦が老後に必要とする金額は8400万円ほど
- 共働きで厚生年金に加入しているなら8400万円を全て年金で賄うことも
- とはいえ2000万円ぐらいの貯蓄は作っておくべきだろう
ということになるでしょうか。
またここでの試算では、夫婦が揃って健康に寿命を迎えることを前提にしています。
もしもどちらかが介護を必要とする場合、1人につき1ヶ月8万円必要となります。
そういうもしもに備えるためにも、やはり2000万円ぐらいの貯蓄は必要でしょう。